2013/08/23
駒ケ根市下平の住民有志が20日、農業用水を利用して小水力発電に取り組む合同会社「下平銭亀洞小水力発電所」の設立総会を下平農村環境改善センター一心館で開いた。来年4月の発電開始を目指して準備を進める。再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度を活用して全量を中部電力に売電。収益は地元に還元し、地域振興に生かしていく考えだ。
出資者は住民有志約20人。代表社員に就任した元駒ケ根商工会議所専務理事の北原初美さん(81)=下平=は「水のエネルギーを生かし、下平の振興につなげていきたい」と呼び掛けた。
発電所の建設予定地は同市太田切土地改良区北の原地区内排水路(通称・銭亀洞川)。有効落差が35.5メートルあり、小水力発電に適しているという。上流部に送水管を取り付けて水を引き、その水圧を利用して水車を回し発電する仕組みだ。出力は35キロワット、年間25万2000キロワットの発電を見込む。
総事業費は約5000万円を見込み、自己資金に加え、金融機関からの借入金と国、県、市からの補助金を充てる。当面、調査費として約1000万円(うち県補助金500万円)を計上。10月末ごろまでに測量や設計を終え、工事に取り掛かりたい考え。試運転を経て、来年4月の発電開始を目指す。
発電した電力は1キロワット当たり34円で中部電力に売却。順調だと7年ほどで初期投資を回収できるとしている。できるだけ投資を抑えて収益を上げていきたい考えで、北原さんの人脈も活用。設計は日立製作所OBで小水力発電に詳しい角田守さん(74)=茨城県日立市=が協力。発電機も手作りに近い形で製作する予定だ。
北原さんは「地域主導型の自然エネルギー事業」として普及、啓発に取り組む考えも強調。一連のノウハウは”駒ケ根ブランド”として発信する。来年度には県の地域発元気づくり支援金に申請し、記録映画として残す構想も明らかにした。
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